隣はわたし

台風が近づいている静岡県。
雷が鳴り出した。
今回の台風13号は、雨台風らしいが、今のところ、豪雨にはなっていない。
今夏は随分と激しい降り方を体験したので、台風らしさを感じないが、それでも、油断は禁物だ。
今のところの予想では、今夜半にもっとも近づき、その後、関東方面に進んでゆく。
*http://www.argos-net.co.jp/awc/ty_top.php
小さなころ、台風が来ると聞くと、母は懐中電灯を準備したり、ご飯を炊いてお結びを握っていたのを思い出す。
自然災害が起きれば、これを持って、避難することになる。
行った先には、周囲の人々が集まり、ともに過ごすことになる。
サテ、一緒に災害を乗り越える、ご近所の人たちを、アナタはどのくらい知っているだろうか。
顔を見たこともなければ、名前も知らない、家族構成や、どんな仕事をしているかなんて、皆目見当がつかない、
と言うのも、さして珍しいことではなくなっているかもしれない。
せめて、顔を見たことがある、挨拶くらいは交わしたことがある、としても、
もしもの時に、避難所に来ていないことに気付いて気にすることがありそうだろうか。
こちらがそれが無ければ、相手にも、無いだろうことは、想像に難くない。
清水区のJR駅前で商店街の一員として仕事をする野口直秀さんは、
今年の1月に13年目を迎えた阪神淡路大震災の復興住宅での記事を見かけて、衝撃を受ける。
阪神大震災の復興住宅での「孤独死」が昨年は60人、8年間で500人超、
ならば、週に一人以上が、誰にも看取られることも無く、息を引き取っている。
そんなことがあっていいのか。
自分のまちでは、誰も一人で死なせたくない、死なせやしない。
そんな強い思いを抱いたと言う。
*http://livingkomatsu.eshizuoka.jp/e169065.html
その5ヵ月後、テレビで「隣人祭り」を見かける。
*http://fuuca.eshizuoka.jp/e155712.html
◎クローズアップ現代 No2599 6月17日(火)放送
http://www.nhk.or.jp/gendai/kiroku2008/0806-3.html

フランスはパリのアパルトマンで、一人の老人が、孤独死を遂げた。
華やかで、世界中の人々が憧れを持って訪れる町の、もうひとつの姿。
それを知った一人の青年が、深い悲しみを抱く。
1990年、彼はアパルトマンの中庭で、住人たちと小さなパーティを持った。
何の規制も無く、縛りを作らないで、参加したい人、できる人が集まればよい。
持ち寄った飲み物や食べ物で、気軽なおしゃべりをして楽しむ。
たったそれだけだった。
それが、「隣人祭り」。
しかし、18年経った今や、世界29ヶ国750万人が参加するムーヴメントとなった。
無論、一斉に集まるのではなく、各地でそれぞれが集まりを開いている。
その集いの旗印が「隣人祭り」なのだ。
もしも、どこかの国に行っても、隣人祭りがあれば、参加しながら地域を知り、溶け込めるのかもしれない。
もちろん、今住む地域との第一歩も、ここから始められる。
日本では、今年の6月、発起人アタナーズ・ペリファン氏のフランス本部から正式認可された日本支部、発足。
ぺリファン氏の肩書きは「ヨーロッパご近所連帯協会プレジデント」となっていて、微笑ましい。
*隣人祭り日本支部 http://www.rinjinmatsuri.jp/main/
サテ野口さんは、これこそ、きっかけになると即断実行、隣人祭りの認定コンシェルジュとなる。
そこからは、持ち前の機動力と人の繋がりで、或いは清水っ子の心意気で、
仲間を集め、周囲を説得し、NPOを立ち上げ、コミュニティビジネス補助金を受け、
チラシを作り、呼びかけをし、8月24日には、商店街を会場に隣人祭りを開催する。
*http://livingkomatsu.eshizuoka.jp/e150904.html
2,30人も集まればいいかな、と準備していたところが、当日60人を超える人々が。
◎隣人祭り 8月27日開催のプレのようす
http://livingkomatsu.eshizuoka.jp/e157777.html
清水のみならず、富士や焼津からの参加者もあった。
◎隣人祭り 参加者の感想
http://livingkomatsu.eshizuoka.jp/e158820.html
人の繋がりを求めている、それはいつの時代も変わらない欲求なのだろう。
そして、人との関わりは面倒で、人との繋がりで救われる。
それでいいのだと思う。
人生彩り豊かになるのも、人との付き合い。
お隣さん、何をしている人なのかしら、と思ったら、お隣さんもこちらを、何をしている人やらと思う関係だ。
そこからの第一歩。
他人と付き合うことで、自己との付き合い方もこなれてくるのだろうし。
野口さんたちの隣人祭りは、次回は11月1日、
JR清水駅東口広場で開かれる「シミフェス」会場で、共催となる。
*http://homepage2.nifty.com/tiao-tk/index.html
一つの祭りに集まった人々もまた、その日、その場の隣人。
失われた地域の繋がりを繋ぎなおすきっかけとして、隣人祭りは、大いに役割を果たしてくれそうだ。

それにしても、相変わらず野口さんの行動力には舌をまく。
清水シャツや、清水のB級グルメ”もつカレー”のひそやかな浸透にも一役買っている。
地域通貨への取り組みも早い。
隣人祭りが、そのすべてをまとめる場になっていきそうな予感がする。
それぞれのお隣さん同士の場、その気になれば、すぐ、明日にでもできる。
要は、やるかやらないか。
そうですね、野口”クールなお”さん。