はてさて

どんなもんだか

奇妙な時間


「わたしには限界だ。これにて御免。失礼する」と、モニターに失礼された。
祭日に病気をしたり、物が壊れるのはマーフィにあっただろうか。
お客様相談室の24時間サービスに電話をかけるには、それなりの仕度がいる。
保証書や製品取り扱い書を引っ張り出す。
自分の力で出来うる限りのテストを試みる。
必要な固有番号を確かめる。

さて。。。。

ようやく、連絡のとき。

録音の声の支持に従い、幾つかのゲートを通り抜けて、人の声にたどり着く。
先方の故障確認の質問をクリアし、先刻テスト済みのすすめられる確認動作を試し、
お互いの結論として、モニターの不具合であると合意に達することが出来た。
3年の保障期間中なので、無料で交換してくれる。
しかし祭日であるがゆえ、発送は火曜、到着は水曜であるという。


本体は、通常通りに働いている。
だが、私と繋がることの出来ないコンピュータ。

最近、海外の話題で読んだ報道を思い出した。

意識がないと診断された患者の奇跡の生還が、2例続いた。
彼らはいずれも、意識はあったと主張している。
どうすることもできず、わかってもらえなかった、と。
周囲の状況も聞こえ、記憶も定からしい。
が、反応することが出来なかった。

想像すると恐ろしい。

金縛りのような、拷問のような状況。

外部との意思疎通を図るために必要な表現が何一つ出来ない。
何も通じない。
体内における電気信号がうまく働かず故障している。

シカトする、無視する、という陰湿ないじめも似ているのだろう。
村八分というのは、八分という名に現れているとおり生死に関わること以外は阻害するのだそうだ。
社会の掟を破ったものへの罰則。

関係を絶たれることは、人を苦しめる。


モニターがやってきた。

が、新たな疑問。

色の設定が何か違う。
モニターの色調を調整すれば。。。。と思っていて、思い出した。
このモニターと、あなたのモニターで見ている色は、同じだろうか。
それより、私の見ている色と、あなたが一緒に見ているこの青空は、果たして同じ青なのだろうか。

どうにも表現できない、比べられない、今感じているこの色合い。

もどかしさを感じながら、だからこそ、人は分かち合うのだろう、会話し、関係するのだろう、と。。。。。


今、個人宅集配がやってきた。
壊れたモニターは、メーカーに帰っていった。